果汁・野菜100%ジュースの健康リスク:WHO基準3倍の糖分量と脂肪肝・糖尿病への影響を科学的に徹底解説!

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🥤 結論:健康そうに見える果汁100%ジュースも健康リスクの方が大きい!果物由来でも「糖分」は糖分
果汁100%ジュースや野菜ジュースはビタミンなどを含み一見健康的ですが、果糖・ブドウ糖などの糖分が多く、国際的な健康基準を大幅に超える量を摂取しがちな飲み物です。市販の100%フルーツジュースにはコーラに匹敵する量の糖が含まれ、食物繊維がない分、血糖値を急上昇させやすい特徴があります。
📏 国際的な健康基準:なぜ150ml・25gが重要なのか?
この記事で繰り返し登場する数値には、重要な科学的根拠があります:
1日150ml:英国保健当局(NHS)の5-a-dayガイドラインで「果汁やスムージーは1日150mlまでを1食分とカウントし、それ以上はどれだけ飲んでも追加の栄養にはならない」と明示されている上限摂取量
1日25g:WHO(世界保健機関)が推奨する遊離糖(添加糖・果汁糖を含む)の上限摂取量
これらの国際基準を超えると、肥満や生活習慣病のリスクが統計的に有意に増加することが大規模研究で確認されています。
✨ 重要なポイント
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糖分量はコーラ並み
200mlのリンゴジュースには約24g(角砂糖6個分)の糖質が含まれ、同量のコーラ約22.6gよりも多い。「砂糖不使用」でも果物由来の糖分が多い
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果糖の特殊な代謝
果糖は血糖値を急上昇させにくい一方、肝臓で代謝され中性脂肪を増やしやすく、過食や肥満を助長する可能性
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丸ごと摂取が最適
果汁100%ジュースより丸ごとの果物・野菜を食べた方が満腹感が続き、血糖コントロールに有利
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適量を守ることが重要
1日150ml程度までに留め、たまの嗜好品として楽しむ程度に控える
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500mlペットボトルは要注意
市販500mlペットボトルは推奨量の3倍以上で、糖質50~75g(WHO基準の2~3倍)を一気摂取となるため避ける
📏 市販500mlペットボトルジュースの糖質量について
市販の500mlペットボトルの果物ジュースは推奨適量(150ml)の3倍以上の量であり、糖質量は50~75g(角砂糖12~19個分)にも達します。これはWHO推奨の1日の遊離糖摂取量(25g)の2~3倍を一気に摂取することになり、血糖値の急上昇・中性脂肪の増加・体重増加などの影響が懸念されます。
📊 500mlペットボトルの糖質含有量の実態
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糖質量の過剰さ
オレンジジュース500ml = 糖質約50g(角砂糖12個分)、リンゴジュース500ml = 糖質約60g(角砂糖15個分)
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コーラと同等以上の糖質量
500mlコーラの糖質約56gと同等またはそれ以上。「果汁100%だから健康的」という認識は要注意
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生理学的な影響
血糖値の急激な上昇→インスリン大量分泌→血糖値急降下→空腹感の増大という生理反応が1本で発生
🥤 市販の果汁100%ジュース・野菜ジュースの健康影響【科学的総合レポート】
本記事では「砂糖無添加」の果汁100%ジュースや野菜ジュースについて扱います。砂糖を添加した一般的な清涼飲料水とは異なり、果物・野菜由来の天然糖分が含まれる製品の健康影響、血糖値や糖代謝への影響、丸ごと食べる果物・野菜との比較など、科学的根拠に基づいた完全統合レポートをお届けします。
🍬 第1章:果汁100%ジュースに含まれる糖分の種類と量
市販の果汁100%ジュースには想像以上に多くの糖分が含まれています。砂糖(ショ糖)は加えていなくても、果物や一部の野菜に由来する天然の糖が果汁100%ジュースには凝縮されているためです。
📊 果汁100%ジュースの驚きの糖分量
果汁100%ジュースに含まれる主要な糖の種類は果糖(フルクトース)・ブドウ糖(グルコース)・ショ糖(スクロース)の3つです。果糖とブドウ糖は単糖類で、ショ糖はこれらが1対1で結合した二糖類です。
🥤 主要果汁100%ジュースの糖分含有量
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オレンジジュース
200mlで約20g – 糖濃度10%前後、角砂糖5個分相当
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リンゴジュース(240ml)
総糖質24g – 果糖14g・ブドウ糖7g・ショ糖3g
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グレープジュース
200ml瓶で30g程度 – 果物の中でも糖度が高いため
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人参100%ジュース
100ml中約9-10g – 大半がスクロース
🥕 野菜ジュースの糖分にも要注意
野菜ジュースの糖分についても過信は禁物です。厚生労働省の「野菜生活」推奨などもあり野菜ジュースは健康的なイメージがありますが、市販品の多くは果物汁をブレンドして飲みやすく調整されています。
📈 野菜ジュースの糖質量の幅
製品によって糖質量に極端な差があり、紙パック200mlあたりわずか1.6g(ほぼ無糖)という低糖タイプから17.4gにも達するものまで存在します。カロリーも20~100kcal/200mlと幅があります。
⚖️ 第2章:砂糖(ショ糖)と果糖の代謝的・生理的な違い
果汁100%ジュースに含まれる代表的な糖であるショ糖と果糖は、体内での処理や健康への影響に違いがあります。
🔍 果汁100%ジュースに含まれる3つの糖とその正体
まず、果汁100%ジュースに含まれる糖の種類を整理しましょう。多くの人が混乱するポイントです。
糖の種類 | 構造・正体 | 代謝経路 | 血糖値への影響 | 健康への影響 |
---|---|---|---|---|
🍬 ショ糖 (スクロース) |
ブドウ糖+果糖が結合 →体内で即座に分解 |
小腸で分解 →ブドウ糖+果糖に |
中程度上昇 (分解後の影響) |
分解後は下記2つと同じ |
🩸 ブドウ糖 (グルコース) |
単糖類 (最小単位の糖) |
小腸→血液 →全身の細胞 |
直接急上昇 インスリン大量分泌 |
血糖スパイク 糖尿病リスク |
🫀 果糖 (フルクトース) |
単糖類 (最小単位の糖) |
小腸→肝臓 →中性脂肪に変換 |
ほとんど上昇なし ※これが誤解の元 |
脂肪肝・肥満促進 満腹感阻害 |
⚠️ 「果糖は血糖値を上げないから安全」は大きな誤解!
ブドウ糖(グルコース)は血液中の血糖として全身のエネルギー源になる糖です。一方、果糖は主に肝臓で代謝されるため、血糖値への直接的な影響は確かに小さいものの、実際の果汁100%ジュース摂取では話が複雑になります。
⚠️ 果汁100%ジュースによる血糖値への影響:重要な注意点
純粋な果糖単体では血糖値上昇は緩やかですが、果汁100%ジュースには複数の糖が含まれ、さらに食物繊維がないため糖の吸収が急速になります。つまり:
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果汁100%ジュースの糖組成の複雑さ
果汁100%ジュースでも果糖・ブドウ糖・ショ糖が混在。ブドウ糖成分は血糖値を直接上昇させ、ショ糖は体内で分解されて果糖とブドウ糖になります
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液体による急速吸収
食物繊維がない液体状の果汁100%ジュースは胃腸を素早く通過するため、含まれる糖分(果糖以外の成分も含む)が一気に血中に吸収され、結果として血糖値スパイクを起こしやすい
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果糖特有のリスク
果糖そのものは肝臓でインスリン非依存的に代謝され、余剰分は中性脂肪に変換。長期的には脂肪肝・インスリン抵抗性のリスクあり
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満腹感への影響
満腹ホルモンであるレプチンの分泌が少なく、グレリン抑制も不十分で食欲のブレーキが掛かりにくい
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中性脂肪の急上昇
血中中性脂肪(トリグリセリド)を急激かつ持続的に上昇させる
🍎 実際の果物の糖組成データ(100g中)
まず、生の果物にどんな糖がどの程度含まれているかを見てみましょう。これらが濃縮されたものが果汁100%ジュースです。
果物の種類 | 果糖 (g) | ブドウ糖 (g) | ショ糖 (g) | 総糖質 (g) | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
🍎 りんご | 5.9 | 2.4 | 1.3 | 9.6 | 果糖主体(61%) |
🍌 バナナ | 4.9 | 5.0 | 5.0 | 14.9 | バランス型(各1/3ずつ) |
🍇 ぶどう | 7.6 | 7.2 | 0.2 | 15.0 | 糖質最高レベル |
🍊 オレンジ | 2.4 | 2.2 | 4.5 | 9.1 | ショ糖が50% |
🥭 マンゴー | 2.9 | 1.6 | 7.4 | 11.9 | ショ糖主体(62%) |
🍓 いちご | 2.4 | 1.9 | 0.4 | 4.7 | 最も糖質が少ない |
🥤 果物→果汁100%ジュースで糖分はこう変わる!
生の果物と果汁100%ジュースでは糖分の濃縮度が全く違います。実際の例で比較してみましょう。
比較項目 | 🍎 生りんご (中1個 約200g) |
🥤 りんごジュース (コップ1杯 200ml) |
濃縮倍率 |
---|---|---|---|
果糖 | 11.8g | 14.8g※ | 1.3倍 |
ブドウ糖 | 4.8g | 6.0g※ | 1.3倍 |
ショ糖 | 2.6g | 3.2g※ | 1.2倍 |
総糖質 | 19.2g | 24.0g | 1.25倍 |
食物繊維 | 4.8g | 0.2g | 1/24に激減 |
摂取時間 | 5~10分 (咀嚼必要) |
30秒 (一気飲み可能) |
10~20倍速 |
※果汁100%ジュースの数値は、りんご約2.5個分(500g)を搾汁して200mlにした場合の推定値
🚨 果汁100%ジュースの恐ろしい実態
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糖分濃縮+食物繊維除去
果汁100%ジュース200mlはりんご2.5個分の糖分を30秒で摂取。食物繊維は1/24に激減し、血糖値の急上昇を防ぐブレーキが利かない
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りんご2.5個 vs 果汁100%ジュース1杯
りんご2.5個を食べるのは困難だが、果汁100%ジュース1杯なら簡単。本来取れない量の糖分を一瞬で摂取してしまう
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コーラとほぼ同じ糖質量
りんごジュース24g vs コーラ22.6g。「健康的」と思って飲んでいる果汁100%ジュースがコーラ以上の糖分
🔍 重要なポイント
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すべての果汁100%ジュースに血糖値を上げる糖が含まれる
「果糖が多いから安全」ではない。どの果汁100%ジュースにもブドウ糖やショ糖が含まれ、血糖値を上昇させる
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果汁100%ジュース ≒ コーラの糖質量
リンゴジュース24g、オレンジジュース20g、コーラ22.6g → ほぼ同等の糖質量
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果糖の隠れたリスク
血糖値は上げないが、肝臓で中性脂肪に直接変換。脂肪肝や肥満の原因となる
📊 果糖を1日25g以上摂取した場合の健康への影響
果糖を1日25g以上摂取すると肥満・2型糖尿病・脂肪肝の発症に寄与しうるとの研究報告が複数あります。果糖は血糖値こそ上げにくいものの、大量に摂ると体脂肪合成や食欲面で悪影響が大きいのです。
🚨 「自然だから安全」は誤解
ジュースのように大量の果糖を素早く摂取する形態はむしろ危険であり、脂肪肝や肥満を招きやすいと言えます。
🔄 まとめ:なぜ果汁100%ジュースは「見た目より危険」なのか
ショ糖(スクロース)は一分子がブドウ糖+果糖から成るため、ショ糖の代謝影響は半分はブドウ糖、半分は果糖に由来します。
まとめると、果糖もショ糖も摂りすぎればどちらも有害ですが、そのメカニズムは少し異なります。果糖は「血糖が上がりにくい=安全」と誤解されがちですが、注意が必要です。
🚨 重要な結論
「果糖は血糖値を上げないから安全」は完全な誤解です。むしろ果糖は:
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肝臓に直行して脂肪を作る
血糖値を上げなくても、肝臓で中性脂肪に変換され脂肪肝の原因となる
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満腹感を阻害して過食を促す
レプチン(満腹ホルモン)の分泌を妨げ、食べ過ぎを引き起こす
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果汁100%ジュースには他の糖も混在
果糖だけでなくブドウ糖やショ糖も含まれ、結果として血糖値も上昇する
🍎 第3章:果汁100%ジュースと丸ごとの果物・野菜の比較(食物繊維・吸収速度・満腹感)
果汁100%ジュースと実際の果物・野菜を栄養学的に比較すると、最大の違いは食物繊維の有無です。
🌾 食物繊維の重要な役割
果物や野菜をそのまま食べると、不溶性・水溶性の繊維質が多く含まれています。繊維は消化吸収されないため胃腸で物理的な嵩(かさ)となり、満腹中枢を刺激して満足感を与えるとともに、糖や脂肪の吸収速度を緩やかにする働きがあります。
🔬 科学的実験結果
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オレンジでの比較実験
健常者にオレンジ丸ごととオレンジ果汁100%ジュースをそれぞれ摂取させた研究では、果汁100%ジュースよりも生のオレンジを食べた方が満腹感が強く、次の空腹までの時間が長かった
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血糖値・インスリン反応
オレンジを食べた時は果汁100%ジュースの時より食後のインスリン分泌が少なく、血糖がゆるやかに下がった
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リンゴでの同様結果
リンゴでの比較でも同様の結果。繊維のおかげで糖の吸収がゆっくりになり、血糖スパイクが抑制
⚠️ 果汁100%ジュースの問題点
一方、オレンジの果汁100%ジュースは繊維が取り除かれているため液体状の糖分が一気に腸に届き、短時間で吸収されてしまいます。
💡 カロリー当たりの満足感の差
カロリー当たりの満足感の差が重要です。果汁100%ジュースは液体なので短時間で多量のエネルギーを摂取できてしまいます。リンゴ1個相当の果汁100%ジュースはコップ1杯(200ml)程度ですが、リンゴ1個を食べるのに比べて果汁100%ジュース200mlを飲むのは一瞬です。
🏆 長期的な体重管理効果
メタ分析によれば果汁100%ジュースを日常的に飲む人は飲まない人に比べ体重が有意に増加する傾向がありました。一方で果物を丸ごと食べる習慣がある人は体重増加や肥満のリスクが低いという疫学データもあります。
🌟 丸ごと摂取の追加メリット
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果皮の栄養素
リンゴの皮には抗酸化物質が豊富、オレンジの薄皮は食物繊維そのもの
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野菜の皮や繊維
野菜も皮や繊維にフィトケミカルが含まれ、果汁100%ジュースではそれらの栄養が失われる
📈 第4章:果汁100%ジュースの血糖値への影響(GI値・GL値)
血糖値への影響を評価する指標にGI値(グリセミック指数)とGL値(グリセミック負荷)があります。
📊 GI値とGL値の基礎知識
GI値は食品に含まれる炭水化物が食後血糖をどれだけ上昇させるかを示す指標、GL値はその食品に含まれる総炭水化物量も加味した指標です。
🔍 果汁100%ジュースと生果物のGI値比較
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オレンジジュース
平均GI値50 – 中GI食品(一部の資料では66~76と高GI分類も)
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生オレンジ
平均GI値45 – 低GI食品
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リンゴジュース
GI値30台 – 果糖が多いため低めだが、GL値は高い
⚠️ 果汁100%ジュースは血糖負荷が高い
少なくとも「果汁100%ジュースは丸ごとの果物より血糖を上げやすい」のは確かです。これは果汁100%ジュースでは消化吸収が速まり血糖上昇のスピードが増すこと、さらに一度に飲む量あたりの糖質が多いためです。
🚨 果糖主体の果汁100%ジュースの隠れたリスク
果糖を多く含む果汁100%ジュースは測定上のGI値は低く出ることがありますが、これは果糖が直接血糖にならないためであって、安全性を意味しません。むしろGI値だけでは計れないリスクがあります。
🏥 医療機関の見解
以上を踏まえると、果汁100%ジュース類は総じて血糖コントロール上はマイナス要因と考えられます。国際糖尿病連合も「果物はできるだけ生で、果汁100%ジュースで摂る頻度は減らす」ことを推奨しています。
📊 第5章:果汁100%ジュースを1日150ml以上飲む長期的な健康への影響
砂糖を1日25g以上摂取すると肥満や生活習慣病を招くのは周知の事実ですが、果汁100%ジュースも例外ではありません。
⚖️ ① 肥満・体重増加
糖分たっぷりの果汁100%ジュースは液体のカロリーゆえに満腹感が乏しく、余剰エネルギーとして蓄積されやすいです。
📊 大規模調査の結果
アメリカで行われた大規模調査の統合解析では、果汁100%ジュースを1日1杯習慣的に飲むごとに3年間で約0.2kgの体重増加に関連することが報告されました。同量の砂糖入り清涼飲料を飲んだ場合とほぼ同じ体重増加でした。
🩸 ② 2型糖尿病
果物そのものの摂取は糖尿病リスクを下げますが、果汁100%ジュースの多飲は糖尿病発症リスクを上げうるという研究がいくつかあります。
📈 メタ分析結果
あるメタ分析では、果汁100%ジュース1日1杯の習慣が2型糖尿病のリスクを約10%増加させるとの結果が報告されました。
🫀 ③ 脂質異常症(高トリグリセリド血症)・脂肪肝
果糖の多量摂取は肝臓での中性脂肪合成を促し、血中トリグリセリド(中性脂肪)を上昇させます。
🔄 悪循環のメカニズム
特に果糖は肝臓で脂肪酸合成を亢進させ、これが長期にはインスリン抵抗性や肝機能障害を引き起こす悪循環につながります。常飲すれば非アルコール性脂肪肝(NAFLD)のリスクとなり得ます。
❤️ ④ 心血管疾患(動脈硬化・心臓病)
直接的な因果関係を示すのは難しいものの、糖分の多い飲料の摂取量が多い人ほど心臓病や脳卒中のリスクが高い傾向が様々なコホート研究で示唆されています。
📊 研究結果
ある研究では果汁100%ジュースを含む甘い飲料の多飲者は総死亡リスクとともに心疾患発症リスクが有意に増加していました。
🦷 ⑤ 虫歯・歯の健康
果汁100%ジュースは天然糖分と酸の組み合わせにより歯に対する害も懸念されます。
🧪 酸性度の高さ
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強い酸性
果汁100%ジュースの酸度はスポーツドリンクや炭酸飲料の2~3倍に達する
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エナメル質への影響
砂糖含有量と合わせて歯のエナメル質を脱灰し虫歯を誘発するリスクが高い
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子どもへの特別な注意
哺乳瓶やマグに果汁100%ジュースを入れて長時間飲ませることは厳禁(哺乳瓶う蝕の原因)
🧬 ⑥ その他のリスク
近年の研究で、果汁100%ジュースを1日200ml以上飲むと特定のガン発症リスクを上昇させる可能性も報告されています。さらに血糖値スパイクの頻発は認知機能の低下や老化の促進にも繋がりかねません。
🍅 第6章:野菜ジュース vs 果汁ジュース:食塩無添加トマトジュースの位置付け
野菜ジュースと果汁(フルーツ)ジュースでは糖分や栄養の構成が異なります。野菜ジュースの種類ごとに特徴と注意点を整理します。
🥕 野菜果実ミックスジュース
市販野菜ジュースの主流。野菜○○%+果汁○○%と表示されたブレンドタイプです。
📊 代表的な製品の糖質量
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野菜生活100(カゴメ)
野菜60%+果実40%で、200mlパックあたり糖質15g前後(うち果糖やショ糖など糖類13g程度)
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実質的な中身
多くの野菜ミックスジュースは飲みやすさ優先でリンゴ、ブドウ、バナナなど甘い果汁を加えているため、実質「果物ジュース+ビタミン」
🍅 トマトジュース(食塩無添加)- 優秀な選択肢
トマトは野菜の中でも糖度がやや高い方ですが、それでも果物ほどではありません。食塩無添加の100%トマトジュースは200mlあたり糖質約7~8gと比較的低糖です。
🌟 トマトジュースの健康効果
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リコピンの効果
赤い色素の抗酸化物質が豊富で、ジュースからの吸収率も高い。動脈硬化予防や美容にも良い
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GABA含有
血圧を下げる働きがあるGABAなども含まれる
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医療機関での推奨
日本糖尿病学会でも糖尿病患者の水分補給に「無塩トマトジュース」を勧める医師がいる
⚠️ 食塩添加タイプに注意
トマトジュースは製品によって食塩が添加されたものも多いことです。塩分過多は高血圧や腎臓への負担になるため、日常的に飲むなら「食塩無添加」を選びましょう。
🥬 その他の純野菜ジュース・青汁
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青汁
ケールや大麦若葉などを絞った青汁は、糖質が非常に低く(100ml中数g以下)ビタミン・ミネラルは豊富
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にんじんジュース
ベータカロテン(ビタミンA前駆体)が豊富だが甘味も強く、ショ糖主体に糖質が多め
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野菜100%ジュース
ほうれん草やセロリ主体のジュースなどは低糖質・低カロリーだが、味や癖の面で好みが分かれる
🧃 第7章:果汁100%ジュースの適量と賢い付き合い方
果汁100%ジュースや野菜ジュースとの上手な付き合い方についてまとめます。キーワードは「適量・節度」です。
📏 推奨される適量
各種ガイドラインでもジュースの摂取は「1日150ml以下」が目安とされています。
🇬🇧 イギリス保健当局(NHS)のガイドライン
5-a-day(1日5皿の野菜果物)推奨において「果汁やスムージーは1日150mlまでを1食分とカウントし、それ以上はどれだけ飲んでも追加の栄養にはならない」と明示。
👶 年齢別推奨量
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大人
1日コップ1杯(150〜200ml)まで
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子ども
年齢にもよりますがコップ半分(100ml)程度まで
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米国小児科学会の勧告
「1歳未満の乳児に果汁は不要」「幼児でも1日120mlまで」
🍽️ 飲むタイミングと方法
ジュースは食事と一緒に摂り、間食として単独で飲まないことも重要です。
💡 推奨される飲み方
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食事と一緒に
食間にジュースを飲むと血糖値が急上昇し、その後の血糖低下で余計に空腹を感じる恐れ
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歯の健康のため
ジュースは食後すぐ飲み終えて口腔内を水ですすぐ
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就寝前は避ける
虫歯リスクだけでなく睡眠中の血糖変動にも繋がるため避ける
💧 薄めて飲む工夫
どうしてもジュースをもっと飲みたいという場合は「薄めて少量をゆっくり味わう」工夫をしましょう。
🔧 実践的なテクニック
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炭酸水で希釈
100%ジュース50mlを炭酸水や水で3倍程度に希釈すれば、風味を楽しみつつ糖質摂取は1/3に
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氷で薄める
氷を入れて薄めるのも有効
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野菜ジュースの工夫
無塩トマトジュースを野菜スープで割って温かい飲み物にする
⚠️ やってはいけない飲み方
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主食代わり・水代わりにしない
ジュースを主食代わり・水代わりにしないことが肝心
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幼児期からの習慣化を避ける
幼児期から甘いジュースに慣れてしまうと味覚が糖分依存になりやすく、将来の肥満リスクが高まる
🎯 最終結論:果汁100%ジュースは健康飲料ではない!科学的根拠に基づく真実
📝 重要ポイントのまとめ
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糖分量の認識
100%果汁ジュースにはコーラに匹敵する糖分が含まれ、「砂糖不使用」でも果物由来の糖が多い
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果糖の特殊性
果糖は血糖を上げにくいが、肝臓で中性脂肪に変わりやすく、満腹感を得にくいため過食リスクあり
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丸ごと摂取の優位性
食物繊維による血糖コントロール効果、満腹感の持続、フィトケミカル摂取の面で優秀
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長期健康リスク
肥満、糖尿病、脂肪肝、心疾患、虫歯など多岐にわたるリスクが科学的に示されている
🌟 健康的な食生活への提言
果汁100%ジュースや野菜ジュースは適量を守ればビタミン補給など役立つ場面もありますが、決して飲み放題の健康飲料ではないということです。「ジュースはあくまで嗜好品」と位置付け、日常の水分・栄養補給の中心はやはり水と食事、そして丸ごとの野菜果物から摂ることを心がけましょう。
それが長い目で見たとき、肥満や生活習慣病を防ぎ健康を維持する近道になります😊
📚 参考文献・情報源
- 果汁ジュース中の果糖含有量および過剰な果糖摂取による健康影響の指摘(肥満・糖尿病・脂肪肝・糖化促進・歯への影響)
- Boltonら, Am J Clin Nutr, 1981:丸ごとの果物(オレンジ/リンゴ)摂取時の方がジュースより満腹感が高く血糖・インスリン応答が穏やかだった研究
- UC Irvine公衆衛生学者による83研究のレビュー:果物は満腹感・食物繊維など有益だがジュースは食物繊維ゼロで自由糖が多く、子どもの体重増加や一部がんリスク増と指摘
- 英NHSによる「5 A Day」ガイドライン:果汁/スムージーは1日150mlまでを1ポーションと数え、食間ではなく食事と一緒に摂ること、飲み過ぎれば虫歯の原因になることを警告
- 日本の内科クリニックによる解説:市販野菜ジュース200mlの糖質は製品により1.6~17.4gと幅が大きく、多くは果汁混合で果糖(フルクトース)が多い
- 果汁ジュース摂取量と2型糖尿病発症リスクのメタ解析結果(1日1サービング増でリスク10%上昇)
- 文京内科クリニックによる解説:果汁100%ジュース1日1杯で長期的にわずかだが体重増加(180ml増ごとに3年で+0.18kg)し、同量の加糖飲料とほぼ同等
- 米国食品データ:リンゴジュース240ml中に糖質24g(果糖14g,ブドウ糖7g,ショ糖3g)が含まれるとの分析例
- Teffらの試験研究(J Clin Endocrinol Metab, 2004):果糖飲料は同カロリーのブドウ糖飲料より血糖・インスリン上昇が抑制される一方、レプチン分泌低下・グレリン抑制不十分・トリグリセリド急上昇が起こり、長期の高果糖食で過食と肥満を招く可能性を示唆
- ジュースと生果実のGI比較:オレンジジュースのGIは生オレンジより高め(OJ平均GI≈50、生オレンジ≈45)で、繊維喪失により吸収が早まることを示す
- World Health Organization (WHO): Guideline: Sugars intake for adults and children, 2015
- American Heart Association: Added Sugars and Cardiovascular Disease Risk in Children
- 国際糖尿病連合:糖尿病予防・管理ガイドライン
- 米国小児科学会:幼児・小児の果汁摂取に関する勧告
- 日本糖尿病学会:糖尿病治療ガイド